美しい色材・紙の話

だいぶ涼しくなって秋らしくなってきました。

裏の柿の木の葉が色づいてきたかと思っていたら

今朝はもうだいぶ落ちて実が目立つようになっています。

日ごとに季節のうつろいを感じます。

 

気が付けば、グループ展ももうすぐ。

今回のテーマは、-今感じること 考えること そして 「これから」について-。

何を描くかを決めてから描く紙や色材を決める、といういつもの視点ではなく、

何で描くか、そこから描くものを決める、という方法をとることにしました。

そう思うようになったのは、3.11以降、ひとつひとつの出会いをより大切にしたいという思いから。

人と人だけでなく、ものとのご縁もとてもありがたく感じるようになりました。

そんな中で出会うことができた紙や色材を大切に使いたい、その美しさをどうにか掛け合わせることができるかを、今回は試みました。

 

前のブログで紹介した本『美しいこと』に登場する高知県の吉岡さんが漉く紙。

この本を読んだ時に、これは実物を見てみたいと思い、日本橋の「かみ屋」さんへ行きました。

楮を栽培するところから手がけたその紙は、今まで見たことのない美しさを持っていました。

柔らかく優しい風合い。薄くて柔らかいその紙は、絵画用には使うのが難しそう・・・。

でも、厚さの違う3枚を購入しました。

帰宅してもう一度紙を広げてみると、紙に木目が!

お店では気付かなかったその木目は、紙を漉いて天日干しする際の木の板の目。

まるで水の流れのような木目。美しい!

これを今度のグループ展で使おうと決めました。

 

西表の色

夏の終わりに訪れた西表島。

そこは自然の生命溢れる島。

自然=必然。その太陽があり、水があり、土があって、その自然が育まれる。

その色も同じ。空の色、水の色、土の色、木々の色、葉の色、花の色、人の肌の色までも。

そんな自然の色のほんの一部、土とヒルギから取れた染料の粉を少し頂いてきました。

土も、ヒルギも、懐の深さを感じるやさしい色。

 

天然岩絵具

今からもう8年前(そんなになるのね)、アートセラピーを学び始めた頃、そこで共に学んでいたUちゃんから頂いた岩絵具。

亡くなったおじいさまが使っていたものだそう。

天然の松葉緑青と群青。

それから、もったいなくて少しずつ少しずつ使ってきました。

この絵具は魔法の粉。

うまく使うとその絵の質が何段も上がる(ような気がする)。

今回もこの魔法の粉、大活躍です。

 

色材、紙の美しさが響きあったら素敵ですね~。そこを目指します。

 

グループ展『pothook#5』、10月20日(土)からです。

どうぞご高覧ください。